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家族が亡くなった時にまずはどんなことをすればいいのでしょうか?
お葬式の費用や喪主がするべきあれこれについて、知ってたらこうしたのに!と思ったことが色々ありました。
その時は突然やってきて、何もかもすぐに決めるよう迫られます。
いざという時に慌てなくて済むように、私と主人の経験をお伝えします。
病院の霊安室から喪主の仕事は始まる
霊安室で、舅が亡くなったいきさつを姑から聞いたあと、まずは葬儀の手配をしなくてはと思い、姑に心当たりを尋ねました。
すると、葬儀の積み立てをする互助会に入っているといって、連絡先を見せてくれました。
携帯でそこに電話をかけ、何をすればいいか一通り説明を聞いたのですが、葬儀のことは聞かれても全然よくわからなかったんです。
とにかく病院に来て納棺してもらい、そのまま預かってもらうことだけ決めました。
住んでいたアパートの入り口も部屋もせまく、棺を運び込めそうもなかったからです。
いきなり「どの棺にしますか」と棺のランク?を聞かれて、そんなこと決めなくちゃいけないなんて、全然知らなかったよ!と驚くばかり。
文句を言っても始まらないのですが、家族の誰かが亡くなったら、
- 納棺に立ち会うのは誰か
- どの程度の棺にするか
- 葬儀までの間遺体をどこに安置するか
- どこで葬儀を行いお骨にするのか(葬儀と火葬場を同じ場所で行うのか、違う場所でもよいのか)
だけは、事前にきちんと決めておいた方がいいです。
私が舅の時に失敗してしまったのは、納棺の手配です。
時間をかけて遺体を清めたあと行われるものだと思っていたのに、実際にはあっという間に終わってしまいました。
ですから、つれあいの妹にはすぐに連絡がついたにもかかわらず、納棺には間に合いませんでした。
私が「とりあえず納棺の手配だけは済ませた。あとはつれあいが戻ってくるのを待つ。急がなくても大丈夫。」と言ったために、彼女の旦那様が「何言ってんだ、とにかく行くぞ」と彼女を急き立てて連れてきてくれるまで、慌てて駆けつける状況ではないと思っていたのです。
ところが、納棺の手配をしたら30分で棺が運ばれてきて、その30分後には遺体が棺に納められていました。
棺に納められた遺体はすぐに運び出さなくてはならないと言われて初めて、私は自分の失敗に気が付きました。
遺体は冷蔵保管される施設に運ばれてしまうため、ゆっくりお別れする機会がないのです。
納棺の際には、湯灌で体を清めてもらって、色々綺麗に整えてもらうものだと思っていたのですが、どうもそれは姑の加入していたプランには入っていなかったのか、救急病院に運ばれ、措置が行われた後のままの状態でいきなり棺に納められることになってしまいました。
葬儀社の人が来て挨拶と合掌が終わったら、さっさとベッドの上の舅の服を脱がせて白装束を着せ、手甲、脚絆をつけ足袋をはかせ、ビニールひもで編まれた白草鞋も履かせ、他にも色々旅支度に必要なものを納めました。
着替えを手伝い、棺に納める際にも足を持ったりしました。
そういうことを、つれあいの妹にしてもらえればよかったと、後から本当に申し訳なく思ったんです。
彼女が到着したのは、棺がすでに運ばれたあと、姑と私がアパートに戻った時でした。
あと1時間遅く納棺の手配をすれば、間に合ったのに!
病院でも、ご遺体の搬送のご予定はと尋ねられましたが、あと1時間が待てない雰囲気ではありませんでした。
これは都内の救急病院に運ばれた、という事情もあるかもしれませんね。
以前、九州に住んでいた時にも葬儀の経験があるのですが、その時は病院の霊安室でゆっくりお別れをしてもらってよい、と言っていただき、実際に霊安室に遺体の冷蔵設備がありました。
その感覚でいたので、思わぬ失敗につながってしまいました。
その日、舅が救急車で運ばれたことを伝えた時、つれあいは運悪く沖縄出張の飛行機に乗る直前で、予定通り飛行機に乗って那覇に降り立ちました。
そして那覇に着いたときに亡くなったことを知り、東京には夕方戻ってきました。
火葬の前にやらなくてはいけない手続き
一般的に、人が病院で亡くなると、医師が死亡診断書を書いてくれます。
次に、死亡届を役場に提出します。そこには本籍地を記入しなくてはいけないのと、どの火葬場を利用するかを書く欄もあります。
そこでまず注意が必要なのは、本籍地です。
長年同じ場所に住んでいる場合でも、住所表記が以前とは変わってしまったり、本籍地と現住所が一致していない場合も多いので、何か機会を見つけて、ご両親や高齢のご家族の本籍地の住所を確認しておくことをお勧めします。
ちなみに、この時気になったので後日おばちゃんの本籍地を調べたら、山形県でした!!
調べてみるものですね。。
さて、死亡届(死亡診断書と一体になっていることも多いようです)を役場に提出すると、火葬許可証が交付されます。
それを火葬場に提出して、初めて火葬ができるというわけです。
しかし舅の場合には、死亡診断書をもらう前に、ある手続きが必要でした。
舅は自宅のお手洗いで倒れたので、当然ですが舅が倒れた時の様子を見ていた人はいません。
舅の死因は心不全との診断でしたが、それが本人や家族以外の他人によって引き起こされたものではない、と証明できる人はいないわけです。
ですから、たとえ病院に運ばれて措置をうけ、死亡が確認された場合であっても、警察の確認によってそこに事件性がないことの証明が必要なのです。
テレビドラマで、司法解剖とか監察医が登場するシーンをご覧になったことのある方は、多いのではないでしょうか。
警察によって「その人の死に事件性がある」と判断された場合には、遺体は警察に引き渡され、ドラマのように遺体の検案が行われるのだそうです。
その場合には、「死亡診断書」ではなく「死体検案書」が作成されるのだとか。
「警察の人が、うちに来るって。」と怯えている姑に理由を説明しながらアパートで待っていると、スーツ姿の警察官が二人、やってきました。
姑から状況を聞きつつ、アパートの周りや部屋の中の様子を見て、現場に舅がどのように倒れていたか、どうやって運び出されたかを確認していました。
10分ほどで確認は終わり「まあ、特に事件性はなさそうですね」とあっさりと引き上げていってくれました。
大家さんの手前もあり、私服で来てくれたことに内心ほっとしました。
舅は、救急車が到着した時には亡くなっていたのかもしれないのですが、大家さんに「この部屋で亡くなられたの?」と尋ねられた時、「いえ、病院で亡くなりました」と答えました。
アパートで亡くなった人がいると、その部屋は事故物件となり、借り手がつかなくなったり、家賃が非常に安くなったりしてしまいます。
警察が来ていたと知ったら、また色々心配をかけてしまいそうだと気になっていたのですが、何事もなくササっと終わって本当によかったです。
こうしてまた病院に行って死亡診断書をもらい、火葬許可証は無事交付されました。
葬儀は結局姑の希望どおりのやり方で。でも。。。
葬儀については、葬儀屋が決まっていれば、どんどん決まっていきます。
自分たちがどういう葬儀をしたいか、予算と人数、そして最初に書いた4つの項目のうち、どこで葬儀を行いお骨にするのかが決まれば、全て決められます。
喪主は姑でしたから、基本的には姑のやりたいとおりにしました。
私たちとしては、後日の香典返しの送付作業や、お通夜の食事のふるまいは避けたかったのですが、姑の希望の通り、いわゆる昔ながらの葬儀の形式で行いました。
おかげさまで、いただいた香典では賄えず、だいぶ出費がかさみましたし、香典返しを送る手配をするのが大変でした。
インターネットでカタログを送ることにしたのですが、送付先の住所や宛名のリストを作り、誰にどの程度のお返しをするのか、いただいた香典の額と照らし合わせながら1件1件決めていかなくてはなりません。
姑はPCの作業のできない人でしたし、参列者の中には住所や電話番号がわからない人もいました。
結局は、私がリストを作って基本的な作業をして、つれあいと一緒にチェックし、手配しました。
結局私たちは、このお葬式だけで何十万円もの貯金を吐き出すことになってしまいました。
お葬式の支払いが、現金払いのみであるということも、衝撃でした。。
急きょ定期預金を解約してしのぐことができましたが、高額の支払いなのにどうして現金でしか支払いを受け付けてもらえないんでしょうかね。
最近は分割やカード払いが利用できる葬儀屋さんもあるようですので、支払方法を基準に選ぶ、というのも大事なポイントではないかと思います。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました!