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2018年のGWで最も印象に残ったのは、こどもの日でした。
普通なら、子供たちを楽しませるために大人が頑張る日かなと思うんですが。。
今回は、私が子供時代に戻って楽しんだ日となりました。
ナルニア国物語の新訳が光文社古典新訳文庫から発売され、全7巻刊行記念として、金原瑞人さんと土屋京子さん(翻訳家)の対談が東京都美術館の講堂で行われたんです。
なんと、抽選に当たって、最前列でお話を聞くことができました!!しかも、お二人のサインまでいただいて~♡幸せ!!!
今日は、対談を聴いて改めて考えた「人生を幸せに生きるってどういうことか」も含めて、お伝えしたいと思います。
まずはお二人とナルニア国物語について、ちょっとだけ説明を。
ごくごく簡単に説明しますと、金原さんはヤングアダルト本に非常に詳しい翻訳家・大学教授で、土屋京子さんは「ワイルド・スワン」「EQ~心の知能指数」などのベストセラーをもつ翻訳家です。
金原瑞人さんについては、こちらをどうぞ。
金原瑞人(wikipedia) 金原瑞人オフィシャルホームページ
土屋京子さんについては、こちらを。
というわけで、不勉強ながら当初は土屋京子さんのお名前は存じ上げなかったのですが、4月のある日子供が学校から持ち帰ってきた「上野の森ブックフェア」のチラシをみて、私は大興奮したんです!!
「ナルニア国物語」と「金原瑞人さん」という組み合わせがあったからです。
見た瞬間に、これはもう絶対行かなくちゃ!!と応募を決めてしまいました。
私は新聞の書評欄を見るのが好きで、日曜日にはできるだけ目を通して、気になる本の書評はスマホで写真を撮ってevernoteに保存しています。
あとでまとめて検索をかけて、図書館で予約するかamazonで買うか検討するためです。
時々目にする金原瑞人さんの書評が非常にキレ味が良いというか、とても気持ちよく読めて、しかも作品に対する愛があって、どんな年代の人にもこの書評はスッと受け入れられるだろうな、と感じる文章なんですね。
それで、こういう文章を書く人はどんな人なんだろうかと、とても気になっていたんです。
しかも「ナルニア国物語」がテーマの対談ですよ~(^^♪
私はファンタジーが好きで、私が大人になってから刊行され始めたハリーポッターシリーズはもちろん、アーシュラ・K・ル・グインの「ゲド戦記」シリーズや、トールキンの「指輪物語」などは何度も読みました。もちろん「ナルニア国物語」もです!
2005年に映画化されたので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
7つのお話のうち、疎開先の老教授の邸宅の1室にある衣装ダンスの奥からナルニアに迷い込んだ4人兄弟が、アスランというライオンと共に白い魔女と闘うお話が一番有名です。
事前抽選申し込みハガキには子供の席も含めて応募したのですが、当日聞くと二人とも「行きたくない」と言うので、結局私とは別行動。
子供達は、上野公園の中で、ブックフェアを見たり遊具のある広場で遊んだり、渡しておいたお弁当やお菓子を食べて待っていてくれることになりました。
当日は、いつものお出かけよりずっと楽しくお弁当を作り、お菓子も沢山用意して、張り切ってお出かけ。
上の子が、小学生になったばかりの下の子の面倒を見てくれたおかげで、見に行くことができた対談です。
二人とも、ほんとにありがとね~。お母さん、連休が明けても幸せが続いてるよ!!
都美術館の講堂で過ごした、至福の2時間半
新しい翻訳への期待、大です!
私は美術館に行くのが好きで、都美術館も何度も訪れている場所なんですが、講堂に入ったのは初めてでした。
木材がふんだんに使われている内装で、さすがは美術館の講堂だなあ、と思わせてくれる、落ち着いてゆったりと座れる作りになっています。
せっかくだから金原さんのご尊顔を近くで拝見しよう、と最前列に陣取って、ワクワクして待ちました。
講堂の中に即席の売店がしつらえられ、「本日は2割引きでの販売となっております、ご購入いただいた方にはサイン会にご参加いただけます」という声が響いています。
なにぃーーー!!!
本が2割引きで買えるなんて、そんな機会滅多にないのに、お財布の中にあるお金じゃ全巻買えないよーorz
などと動揺しているうちに、美術館の職員の方からご挨拶があり、続いて光文社の方の紹介で、早速金原さんと土屋さんが登壇されたんです。拍手~パチパチパチパチ
HPを拝見して実際のお年を知って驚いたくらい、金原さんはとてもお若く見えました。
金原さんが進行役、土屋さんがそれに応じていくスタイルで進められた対談でしたが、
1時間ちょっとの間、お二人のお話を聞くのが楽しくて楽しくて、自分の顔がニコニコ緩みっぱなしなのが、わかるほど。
ナルニア国物語自体の話題はもちろん、
今回の翻訳をするにあたって、現在読まれている瀬田貞二さんの訳とは敢えて変えた部分や、
刊行の順番も原初の刊行順ではなく、
著者が「この順番で読んでほしい」と生前に意思表示した通り物語の順番になっていることなど、
ナルニアに親しんできた人なら、ふむふむ、そうかそうか、そりゃ新訳読まないと!!と思う内容が
沢山話題になって、本当に身を乗り出して聞いてしまいました。
翻訳の喜び、生きることの喜び
さらにお二人とも翻訳家ですから、翻訳作業自体についてのお話も出ました。
大体1冊に3か月をかけて翻訳し、今回のように7巻となると、1冊目の翻訳終了後すぐ2冊目の翻訳に入り、その作業中に1冊目のゲラが上がってきて赤入れをする、という状態がずっと続いていくのだそうです。
中でもとりわけ印象的だったのは、「ほぼ2年にわたって翻訳作業が続いたわけですけれど、作業はしんどくはなかったですか?」という金原さんの質問に対する、土屋さんの返答です。
「ナルニア国物語を翻訳していた期間は、この上なく幸せな時間でした。翻訳を終えた時は、ああ、終わってしまったな、ってちょっと寂しくなってしまったくらい。ワイルドスワンを翻訳した時も感じたことなんですが、本当に自分が生きてるな、と感じられる充実した時間で、素晴らしい作品を翻訳できる喜びを味わっていました。」
これって、すごいことだと思いませんか。
自分の仕事に打ち込めることが嬉しい、最高の喜びを感じながらできた仕事です、とおっしゃったんです。
私にも、母親として、会社のスタッフとして、そして自分自身としての仕事があるわけですが、こんな風に心からの喜びをもって自分の仕事を語れるかというと、、自信がありません。
私だって、一生懸命生きていますが
自分は〇〇をしている時が最高に幸せなんです、と言える瞬間
〇〇をすることが生きる喜びです、と言いきれる気持ち
こんな気持ちを感じたと、自信をもって言い切れる瞬間がこれまでにどれだけあっただろうか、と考えずにはいられませんでした。
毎日をこういう気持ちで過ごしたくて、自分の中にあるはずのものを探しているのが、今の状態なんだと思います。
壇上のお二人は、若いときにそれを見つけて、大好きなことを、喜びをもって一生懸命に続けてこられたからこそ、今の場所におられるんだなあと改めて納得したのでした。
自分自身を認めることから、全てが始まる
「英語は昔から得意だったんですか?」という金原さんの問いかけから始まったやりとりがまた、興味深かったです。
「中学生になって英語を学習するようになってから、英語の辞書を常に持ち歩いていましたね。
例えば10人には10人の好きなものがある、という英語の表現と、蓼食う虫も好き好きという日本語の表現との間にあるギャップに驚いて、感激してしまうんです。それが面白くて仕方なかったんですよね。
とにかく暇さえあれば、家でゴロゴロしている時でも英語の辞書を適当に開いて、そこを読むというのが好きでした。
高校生になるとさらにパワーアップして、英英辞典を持ち歩くようになりまして、同じように英語が大好きなお友達ができて、こんな言葉知ってる?とか、こういう言い方が面白いよね、とか休み時間のたびに盛り上がっていたんです。」
「それは嫌な奴ですね(会場笑)でもそのお友達に感謝しなくてはいけませんね。」
「今そのお友達は、大学で英語を教えています。」
とまあ、こんなやりとりだったのですが、中学生の娘を持つ母親として、しみじみと考え込んでしまいました。
あなたの娘が、毎日毎日ひたすら英語の辞書をめくってゴロゴロしているとします。
それを見ていたら「もっと友達と遊んだら」とか「スポーツでもして体を動かした方がいいんじゃないか」とか「他の本も読むべきだ」とか絶対に言いたくなってしまうと思うんですよね。
それに、私がもしその本人だとしたら「英語の辞書が大好きで仕方ないなんて友達に知られたらハブられないかな」とか「こっそり自分だけで楽しんでおこう」とか思ってしまったんじゃないかと思うんです。
実際、私はアニメが大好きでしたが、そのことを否定的に捉えられるのを恐れて、普段はそのことを友達に話しませんでした。
そこから考えると、土屋さん自身はもちろん、おそらく土屋さんの親御さんも、英語の辞書ばかり読んでゴロゴロしていることをむしろ肯定的にとらえていたわけで、ちゃんと土屋さん自身の個性を受け入れていたのです。
だから土屋さんもその個性を安心して出すことができて、同じように英語が大好きな友達ができた。
すてきですよね。
私は勝手に他人からの評価みたいなものを自分で作り上げて、その殻の中に閉じこもってしまいました。
ですから、そこから何かが広がっていくこともありませんでした。
未来型アフィリエイトでは、自分の「好き」をどんどん出していく、ということが大前提なのですが、なるほどこういうことか!と自分自身を認めて、素直にそれを出していくことの大切さを感じた時間でした。
サインをいただいたら、なんだか・・・
金原さん、土屋さんのお話にすっかり魅了されてしまった私は、これは絶対本を買って、お二人にサインをいただかなくては!!と思いました。
迷った末、第一巻の「魔術師のおい」と第二巻の「ライオンと魔女と衣装ダンス」を購入して、第一巻に土屋さん、第二巻に金原さんのサインをいただきました。
↓証拠写真(^^)/
ナルニア国物語は、イギリスの本の人気投票でも常に上位に入る、人気作品。
世界120か国以上で翻訳されていますから、世界中の人とナルニアの話で盛り上がれます。
それだけでも、なんか嬉しくなっちゃいますよね!!
そしてなぜか、これが不思議なんですが、最初に土屋さん、次に金原さんにサインをいただいて、金原さんと目線を合わせて「ありがとうございました」と言った後(本当は何か気の利いた質問をしたかったのに、全然思いつきませんでした。。)、涙が出そうになって、困りました。
おそらくこれは、自分の学生時代の気分を思い出したからじゃないかと思います。
大学ではアメリカ文学を専攻していたのですが、ゼミの先生はヘミングウェイの研究者でした。
今回ナルニア国物語の新訳が刊行される光文社古典新訳文庫では、金原さんも「武器よさらば」を翻訳されたことが対談の冒頭で紹介され、自分の学生時代を思い出しながらお話を聞いていたんです。
先生の口調や、そのマニアックな(学術的な)内容が思い出されて、四半世紀ぶりにそういう空気に触れられたことの喜びが自分の心の奥底から浮かび上がってきたのかもしれないな、と思います。
実は思っていた以上に自分は文学が好きで、そういう話が聞きたいのかもしれませんね。
人生を幸せに生きるために
土屋さんの中学・高校時代のお話が印象的だったので、会場を出て子供と落ち合った時に、早速その話をしました。
自分が大好きだ!って思えることを仕事にして生きていけるって、本当に素敵だよね、と伝えました。
娘は英語のエピソードに驚いたようでしたが、特に何も言わず聞いていました。
何をしたら幸せに生きていけるのか、その答えはその人の中にしかありません。
娘がその答えに早くたどり着き、好きなことを喜びをもって語り、生きていけるよう願うばかりです。
私自身も、これからの時間を精一杯楽しんで生きていくために、その答え探しをあきらめずに続けていきます。
2016年に”第4弾となる「銀のいす」が新しいシリーズとして製作される”という発表があったまま
映画についての新しい情報がないところが寂しいですね~新しいキャストかもしれないけど、早く見たいな~
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。