自分が嫌いでしょうがない私に幸せな気持ちをくれる花柄の布

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目次

前回は、電話恐怖症を克服するまでの数か月間は、他にもいろいろ仕事の悩みが襲ってきて、自分を嫌いになっていくばかりの毎日でした。

自分大嫌いな私が、自分を好きだったころ」にも書きましたが、

「シアワセを感じた瞬間の記憶をたどれば、今また少しだけ同じような気持ちになれるんじゃないか?」

という思いはその後も消えず、折に触れて記憶をたどるようになりました。

今日は、自分が嫌いでしょうがない私でも花柄の布を見るたびよみがえる嬉しい思い出をお話しようと思います。

花柄の布を見るとよみがえる、幸せな思い出

花柄の生地は、女性なら一度は身に着けたり、手に取ったことがあるものの一つではないでしょうか。

そして花柄を見るとよみがえる記憶をお持ちの方も多いことでしょう。

私の記憶に残る最初の花柄の生地は、小学校2年生の時に自分で作ったスカートの生地です。

 

初めての・・・

ベージュの、今思うと多分ポプリン(という織り方)だったと思うのですが、濃いめのベージュ、フューシャピンク、パープルの3色のヤグルマギクの柄でした。

私は当時家にあった足踏みミシンが大好きでした。

早く使いたかったのですが、足でペダルを踏んで動かし続けるので、ある程度身長が伸びるまで使えませんでした。

小学校2年生になり、比較的体の大きかった私は、何とか椅子に座ってペダルを動かせるようになりました。

早速縫い方を教えてほしいと母に頼み込み、しぶる母を説得して、まずはまっすぐ縫う練習をしました。

そうして、雑巾を何枚か縫ったあとで「何か作りたい」というと、なんと「スカートを作ってみたら。ゴム入りのやつ」というではありませんか!

「ほんと?できるの?」というと、「とっても簡単だから、まっすぐ縫えればできるよ」と言って、布を買ってくれたのです。

いつも、お店で生地を買うのはもったいないと言って決して生地を買ってくれなかった母が、好きな生地を選んでよいと言って店に連れて行ってくれました。

母にせかされつつ「どうしよう、早く決めなくちゃ、どうしよう、どれにしよう」と目移りしながら、これがいい、と家の花壇に咲いているヤグルマギクの花の柄に決めました。

自分で長さを伝えて切ってもらうのも初めてで、とても緊張したのを覚えています。

初めての体験にドキドキして高揚した気持ちのまま家に帰り、もう本当に嬉しくて、すぐに作り始めました。

母に言われるまま大体のスカート丈を決めて生地を切り、ミシンで縫って細いゴムを2本通して、初めての作品はその日のうちに完成しました。

初めてですから、もちろんうまく縫えない箇所があったりして、お世辞にも上出来とは言えませんでした。

ポケットがなく薄い生地で、洗濯のたびにアイロンが必要だったため面倒になってすぐに着なくなりましたが、このスカートのことは大切な本当に嬉しかった思い出として私の中に残っています。

 

思い出の中の自分を見つめて

すぐに着なくなってしまったスカート。うまく縫えたわけでもないのに、なぜそれが幸せな記憶となって自分の中に残っているのか、今になってふと疑問に思いました。

気になることが出てきた時こそ、書き出してみるに限ります。

  ミシンを使わせてもらえた  

  自分一人でミシンを使えるようになった

  母が生地を買ってくれた

  初めて自分で身に着けるものを作った

  作品を完成させた達成感があった

書き出してみた中で、どれが一番はっきりと、くっきりとその時の気持ちがよみがえってくる記憶なのか、それぞれ読み返しながら考えてみると。。

「母が生地を買ってくれた」ことでした。

自分の好きな布を選んで買ってもらえた、このことがスカートの思い出を特別なものにしていたのです。

自分の思いが形になる経験の重み

自分の好きなものを選んで買ってもらう、これは本当に嬉しい経験です。

私には、そういう経験が同世代の他の人より少なかったと思います。

両親は非常に倹約家で、私の洋服はほとんどすべていとこのおさがり。

靴は穴があくまではき、靴下やストッキングの穴を繕い、頂き物の包装紙とひもは必ず再利用。

着なくなった洋服は決して捨てずに端切れとして使いました。

自分たちが価値を認めたものには少々思い切った額でもお金を出してくれますが、それ以外のものは安くても決して与えてくれませんでした。

生活のすべてがそのような考え方のもとに成り立っていたので、

流行りの洋服を買ってもらうとか、映画を見に行く、遊園地にいくというようなこととも

ほとんど無縁の状態で(両親にとっては価値のないものだった)、

いくらおねだりしても「よそはよそ。うちはうち。」と言われて終わり。

そんな中で、自分の好きな布を選んで買ってもらい、洋服を作ったことは本当に夢のような出来事だったのだと思います。

自分の強い思いが形になるという初めての経験、それが布を通したものだったことが、

その後の自分の人生に間違いなく大きな影響を与えているな、と今日のブログを書いてみて、改めて感じました。

自分が布を前にする時、心の奥底のこの体験とどこかでつながっていて、

それが「布を見ると幸せになれる気がしてワクワクする」という現れ方になるのだと思います。

その、「布が自分をワクワクさせてくれる」という想いが、私のこれまでの人生を支えてきてくれました。

ワクワクしている自分を嫌いな人は、いないですよね。その瞬間は、最高に幸せを感じている自分がいるわけですから。

ずっとワクワク、楽しい毎日を生きていければ、毎日自分を好きでいられると思うのです。

あなたが小さかった頃、絶対どこかに、ワクワクする瞬間があったはずです。

心の奥に眠っている宝石を掘り起こして、自分の心の中にある想いを見つめてみませんか?

自分が何を大切にして生きてきたのかを発見することで、そんな自分を好きになって、もっと自分が幸せになるヒントがつかめるのではないかと思います。

今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。

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