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東京に家を構えてから、母がよく遊びに来てくれます。
朝晩の身支度の時、私が実家にいた頃(高校生までの間)作ったポーチや巾着が登場します。
Felix the catのポーチは、私のやりたい!が形になった幸せな思い出につながっています。
自分のやりたいことを実現させた喜びが、あなたの中にもきっとあるはずです。
高校生の時の巾着が思い出させてくれたもの
最近登場した巾着は、高校生の時作ったもので、生成りのシーチングと黒の細いストライプの生地でできています。
私は当時Felix the catが大好きでした。ちょっとアメリカンでレトロな雰囲気が気に入って雑貨もいくつか持っていました。
ある日手芸店に立ち寄ると、なんと!Felix the catのタグを発見。嬉しくなって、そのタグに合わせて色々と迷いながら布を選び、お弁当袋を作ることにしたのです。
当時のティーン向け雑誌や手芸雑誌には、いろいろなお弁当袋の作り方が掲載されていました。
せっかくお気に入りのタグで作るから、と2種類の布を使い、紐も布で作る凝ったデザインを選んで、張り切って作りました。
細い紐をミシンで縫うのが難しく、時には縫い目を解いてやり直しながらも何とか完成させたとき。
その達成感は、それまでにはないものでした。
思い出の中に、自分の想いと誠実に向き合っている自分がいる
出来栄えもよく、毎日お弁当を入れて持って行ったと思います。
ですが実は、実際に使った記憶はあまりなく、出来上がった時の気持ちの方がはっきり思い出されます。
なぜ出来上がった時の気持ちのほうが強く残っているのでしょうか。
友達に「これ作ったんだぁー。すごいでしょ!」とでも言えば、みんな褒めてくれたはずのものです。
30年経った今見てもとても丁寧に作られていて、昔の自分、やるじゃん!と思ったくらいです。
でも、記憶に残っているのはそういうことではなく、出来上がった時の喜びです。
大好きなものを毎日楽しく使えるように、自分が大好きになれるものを作りたい。
そういう自分の気持ちの向かうまま、お小遣いを節約しようとか考えず、自分にできる限り最高の材料を揃えて、丁寧に作ったのだと思います。
自分の想いと誠実に向き合い、その想いを形にすることができた喜び、それが自分の中に残っているんですね。
自分の想いを形にするために必要なこと、それこそが自分を認めるきっかけをくれる
あの時、お小遣いが勿体ないから、と手持ちの布で作った巾着にFelix the catのタグを縫い付けていたら、その巾着を今見た時、同じ喜びがよみがえることはなかったでしょう。
自分が持てる精一杯の力を自分がやりたいことに注いだ、という事実こそが大切なんだと思います。
自分の気持ちに素直に、100%どころか120%の力を注いて自分がイメージの中で思い描いたものを実現する努力をする、その行動こそが達成感の源だと改めて強く感じます。
そうやって行動できた喜びこそが、頑張った自分を認め、次の一歩を踏み出すきっかけをくれるのだと思います。
そう考えた時、今ここに一人の母親として、妻として、アラフィフパート女性として存在しているわたしは、自分のどんな想いを形にしたいと思っているんだろうか、それを120%の力で実現するってどうすることなんだろうか、と自分に問いかけずにはいられません。
すぐには答えが出そうにない問いかけです。
この大切な問いかけによる気づきをくれたのは母が運んでくれた幸せな記憶と、そこにあった昔の自分の姿です。
お母さん、ありがとう。作った本人は忘れていたのに、ずっと私の作品を使い続けてくれて。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。