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前回の「自分が嫌いでしょうがない私が今だから語れること」でお伝えしたように、鎧姿の戦士たちに囲まれる恐怖と闘いつつ、私は働き始めました。
日々気づいた点を改善する努力は、もちろん続けてきいたのですが、その努力を上回る速度でミスをし続ける私。
ある日、言い訳している自分がいました。
今日は自分のことが本当に嫌いになった出来事について、書きますね。
仕事をすると、ミスばかり
最初の一か月はデータ入力的な作業ばかりでした。
単純で退屈な作業ではありましたが、入力するデータをあちこちの資料をひっくり返して探し、順調にシステムに登録していました。
その後お客様からの入金データを扱う作業をあてがわれるようになり、職場に行くのが憂鬱になってしまうほどその作業を負担に感じ、そして作業をするとミスばかり。
毎日何度も担当者に謝っている自分がいやでいやで、どうしようもなくなってしまいました。
明日もミスするかもしれないという恐怖
毎日同じようなミスを繰り返していると、担当者の口調もさすがにきつくなってきますし、こちらもイライラが高じてきます。
それでもなぜか、ミスを申し訳ないと思っているのにまた同じようなミスを繰り返してしまう、という悪循環から抜け出せないのです。
自分が情けなくてふがいなくて
毎日昼休みも自宅に帰ってからも、さらには寝る前にも、
まるで自分自身に対して拡声器で「本当におまえはバカだーっ、何でみんなにできる作業ができないんだーーっ!
見直しが足りないんだろーーーっ、ちゃんと考えてやれよどアホ!!」と自分を罵倒する日々が続きました。
毎日出勤して最初に行う作業なのですが、
「今日もやるのか。。。とにかく早く終わらせよう!」という一心で作業を始めます。
今日はミスしてないぞ!と思って提出するのですが、夕方には
「ここ間違えてたんで、直してください」という指示がくるのです。
毎日仕事が終わると、ミスを指摘される恐怖から一旦は解放されますが、また次の日も仕事です。
明日もミスをするかもしれない、いやだ、ミスしたくない、なんでちゃんとできないんだろう。。。
夜中にふと目が覚めた時でさえそのことが頭に浮かんできて、眠れなくなってしまった日もありました。
ミスの言い訳をする自分がいた
そんなある日、ちょっと特殊なパターンの入金があり、作業に慣れた人でもよくよく注意しないとやってしまうようなミスをしてしまいました。
そのころの私は、毎日の作業を何ヶ月か続けて行っていて、もう慣れたと言ってもいい頃でした。
ミスがありました、と言われて説明を受けた時、何を確認すればよかったのかは、すぐにわかりました。
「これ、ちょっと見落としがちな箇所ですけど、必ずこの欄を確認して、毎回注意してくださいね」という担当者の指摘に対して、思わず口をついて出たのは「そうですか、知らなかったなー。わかりました。」という言葉でした。
言い訳するなんて!そんな自分自身と向き合ったのは、大人になってから初めてでした。
自分がまるでべっとりとねばつく真っ黒なコールタールをかぶってしまったような、どす黒くて器の小さい、卑しい人間に思えました。
大げさなー、そのくらいの言い訳だれでもするよ、と思う方もいるかもしれません。が、私は言い訳が嫌いなのです。
ミスをしたらきちんと謝罪できる、自分の素直なところは、ほとんど唯一の自分の取り柄だと思ってきたのに、自分でそれを否定してしまったのです。
その日は、まるで自分が自分でなくなったような気がしました。
どんどん自分が嫌いになっていく毎日で、自分を支えてくれたもの
ここまで読んで、何か思い込み強すぎじゃない?とか、ミスってするもんでしょ、仕事なんだからと思われた方、大正解だと思います。
でもそう思えるようになるまでに、私には1年近い時間が必要でした。
17年のブランクは確かに存在していて(だって、子供が生まれてから高校3年生になろうかという時間です)、私は新卒の学生よりも仕事ができない存在なのは間違いありませんでした。
正社員など夢のまた夢。何しろ、みんなが話している内容の半分も理解できないのですから、役に立てるはずもありません。
言い訳してしまった時からは、なんだかどんどん目標が遠ざかっていく感じさえしました。また毎日ミスを連発する日々が続いて、どんどん自分が嫌いになっていきました。
はるか彼方に思える正社員を目指して、それでも毎日仕事ができたのは、会社のmissionが好きなこと、同僚がみな親切なこと、何よりもスケジュールを子供の予定に合わせて柔軟に設定できることが大きかったです。
言い訳する自分が嫌いでしょうがない私を支えてくれる職場には、本当に感謝しかありません。
たまたま採用責任者の奥さんが「そろそろ私も仕事に復帰したいな」と言ったのがきっかけでマザーズハローワークに求人を出したと聞いたので、絶対にご縁がある会社だ、ここで頑張らなかったら一生後悔する、と思って本当に必死でした。
次回は、暗黒の日々の中の癒しについて書いてみたいと思います。