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以前から、自分のお金に対する考え方の一つの形が、大学生活に現れている気がしていました。
今抱えているお金の問題にも通じる考え方です。
「高校生の時は、お金がなかったから幸せじゃなかったんだ。大学生になってバイトしてお金稼いだら、いろいろやってハッピーな毎日が過ごせるぞ!」とカンチガイしていたんです。
リア充のようでいて全然違っていた、私の大学生活のお話です。
女子大生らしくすれば、幸せになれるはず
わたしは、地方の小さな町をはなれて、東京都内のとある女子大に進学しました。
とうとうこれで、私も今でいう「リア充キラキラ女子」(最近こんな言葉は使わないのかしら。世を拗ねて半分引きこもっていた主婦生活の間に世情にうとくなってしまったので、おかしな言葉を使うことがあります。。お許しを。)の仲間入り!と思って上京したのです。
ですが、現実はそうはいきませんでした。
理由はいくつかあるのですが、一番の原因は、「これからは女子大生になるし、バイトでお金を稼げるから、そのお金でみんながやっていることが色々できる。きっと楽しくなる!」と思っていたことだと思います。
初めてのバイト。初めての、仕送り生活。
そこには「お金の万能感」のわなが、潜んでいました。
今思えば私は、当時世の中でもてはやされていた「女子大生」を、自分がなりたい姿であると勘違いしていました。
いわゆる「女子大生」のやっていることを全部やってみたら楽しくなれるはず、と思い込んでいました。
その姿に近づくべく、自分なりに思いつくことを全部やって、がんばってはみたのです。
それなのに、彼女たちと同じことをやってみると、何かと失敗ばかりだし、楽しくはありませんでした。
その中で唯一普通にできたこと。
それは、お金を使うことでした。
カンチガイその1:女子大生は、楽しくバイトをしてお金を稼ぐもの
アルバイトは中華料理店、中学受験の塾講師、お惣菜やさん、ギターやさんで経験したのですが、どれも、自分がワクワクするような仕事ではありませんでした。
初めてバイトした中華料理店では、自分が全然使えないバイトであることは、間もなく自分自身にもわかりました。
わずか20卓ほどのお店なのに、一人で切り盛りすることができないのです。
3か月ほど経った頃でしょうか、店長に呼ばれ「あなたにはもっと向いている仕事があるはず」と、事実上の解雇を言い渡されました。
塾の講師は、仕事が大変で、最初だけ一生懸命でしたが息切れしてしまいました。
お惣菜やさんとギターやさんは、お店の雰囲気が好きでしたが、仕事自体にはさほど魅力を感じませんでした。
学生ですし、どうしても時給の良さを基準にしたり、近所で仕事に行きやすいとか、お惣菜がもらえるとか、そんな視点でバイトを探してしまったのですが、そこが一番間違っていたと思います。
大学生活の後、何をしたいかを考えて、そこにつながるバイトができたらよかったなぁ、と思うのです。
そしてその時に、自分はどんなことが得意なのか、どういうことに気持ちが動くのか、もっともっと自分を掘り下げる必要があったと思います。
もしそうでなくても「この仕事をやってみたい」とか「このお店が好き」といった、仕事やお店を知ったうえで選ぶ、という視点があったらよかったのです。
残念ながら、私の場合は違っていました。
バイトにやりがいを感じられないため、バイトでは自分を満たすことができないでいました。
とりあえずバイトをすればお金が入ってきて、そのお金は、もちろん一部は貯金していたのですが、テニスサークルのランチや飲み会、合宿に行く費用になったり、洋服を買ったり、彼氏と遊びに行ったりするお金になっていました。
カンチガイその2:女子大生はテニスサークルで楽しく活動するもの
大学の入学式が終わって会場の外に出ると、そこにはすごい数の人が待ち受けていました。
みんな、自分のサークルに新入生を勧誘しようとすごい形相でビラをまいているのです。
こんな感じで、どのサークルに入るのかは、入学してしばらくはみんなの関心事でした。
当時はテニスサークルが最も人気で、私もその流行に乗っかって、大学の友達と一緒に、学外のテニスサークルに入りました。
そして2か月ほどでわかったこと。
私はそれほど、テニスが好きではない、ということです。
もっとちゃんと練習すればよかったのだと思います。
ちゃんとルールを覚え、プレーの基本を身に着けて、ゲームができるようになれば楽しくなったと思うのです。
ですが、私はただみんなとおしゃべりしに行っていました。
テニスサークルの輪の中にいることに満足して、その場にいただけなのでした。
↓こちらの記事で詳しく書きましたが、私は、流行のものには全く縁のない家で、両親の厳しい教育方針?のもとで育ちました。
ボコボコにされたラジカセの思い出 家族のあたたかさって・・・?
ですので、大学生になって「自分と同じくらいの年齢の人たちが普通に楽しんでいることを、ようやく自分はいま楽しめている。高校生までの間にできなかったことを、やっと今やれている!充実してる♡」と思っていました。
でも、そこにいる自分が本当にワクワクしていたわけではないのです。
それに気づいていながら、行動を変えることができませんでした。
そして、今になってようやく理解できるのですが、その満たされない気持ちを満たすために、せっかく稼いだお金を、無駄に使ってしまっていました。
カンチガイその3:女子大生はおしゃれをするもの
とにかく、自分が着たい洋服を全くと言っていいほど買ってもらえなかった私。
必要な洋服を買ってほしいと親に伝えることさえ、とても気が引けることでした。
今でも忘れられない言葉があります。
小学校5年生だったと思うのですが、その時履いていた靴が破けて、指がでてしまった時のこと。
「お母さん、靴やぶけた。ズボンも短くなったから、買って。」と母に伝えたのです。
その返事はこうでした。
「またか!また買うのか!!この前買ったばっかりだろうー。全くもう。」
自分が大きくなると、母は嬉しくないのだな、と思いました。
でも、栄養があるから食べろと言って、大嫌いな煮干しや小魚を毎食無理やり私に食べさせ、カルシウムのサプリメントまで与えてきたのは母です。
それで私が成長すると怒るなんて、明らかに矛盾してる。絶対おかしい!と思っていました。
でも、新しいものが欲しい、と言うたびに母ががっかりするので、特に靴はいつも、どこかが破けるまで履いていました。
別に自分から大きくなろうと思って育ったわけではないのです。
むしろ縮んでしまいたかったです。
女性としては身長が高く、足のサイズも大きくて、しかも当時は今よりも10キロは太っていたので、本当になかなか自分の体に合う服も靴も見つからなくて、大変でした。
東京に出てきて驚いたのは、そういう私でも身に着けられる洋服や靴が、沢山売られていたこと。
といっても、普通の洋服屋さんにはなかなかそういうサイズのものはなく、古着屋とか、モデルサイズの服が流れてくるお店とか、大きいサイズのお店などに限られていましたが、とにかく自分もおしゃれができる!ということが嬉しくて嬉しくて、次から次へと色々な服を買っては着てみる、ということを繰り返していました。
しかしどれも、サイズは合うけれどデザインが独特なものが多いのが難点でした。
自然に、私のワードローブは独特の雰囲気になってゆき、周囲の、いかにも上品な女性らしい服装の人たちの服とはいつの間にかかなり違った服装になっていました。
「それ、おしゃれな服だね」と言ってくれる同級生の目が笑っているように思えることも多くて、「ほんとは、ばかにしてる??」と思っていました。
それなのに、その言葉に乗せられたつもりで「ありがとう。いいでしょ、これ」などと笑っていました。
嫌なヤツですね。
しかも、しょっちゅう洋服を買っているのに、「私、この服がすごく着たくて。これ好きなんだ!」そう言い切れるほど好きな服は、ほとんど持っていませんでした。
自分の体が入る服、安い服をという考え方が優先になっていて、自分が本当に好きな服を、買っていないからですよね。
結局は、流行の服を上品に着こなす女子大生になることも、自分が大好きな洋服で自分を満たすことも、できないままの大学生活でした。
自分らしくも、なれなくて。時間とお金を浪費した日々
バイトで手にした、自分が自由に使えるお金。
それを使っていろいろやってみたのに、女子大生らしくなれない。
どれもこれもしっくりこない。うまくいかない。
それでもお金を稼ぐことができているからこそ、やりたいと思うことができている、そう思っていました。
ですが、この「お金の万能感」が、落とし穴なのです。
テニスサークルにも洋服を買うことにも、確かにお金は必要でした。
でも私は、自分がそこに感じていた不満を解消するために、お金を使う以外の行動をしたでしょうか?
テニスサークルをやめて、違うサークルに入りなおすことだって、できたはずです。
アルバイトも、もっと自分が心から打ち込めるような仕事を探すことだって、できたはずです。
洋服だって、とりあえず値段のことは考えずに、どういう洋服が本当に好きか、とことん見て歩けばよかったのです。
でも、それをしようとはしませんでした。
私は文字通り、お金を「浪費」していたのです。
「浪費」を心理学的にいうと、人生の不満に立ち向かえないとき、一時的に無力感を取り去るために、お金を使うことで「私には力がある」と感じるための行為、なのだそうです。
↓以前から私が愛読している、こちらの本の31ページに書いてあります。
卒業してから四半世紀もの時間が経ったあとです。
その間に、ますます「浪費」は拡大してしまい、今の自分を作ってしまいました。
あなたはいま、お金を「浪費」していませんか?
お金を使って、自分自身が感じている不満を解消し、心から幸せを感じることができていますか?
どうか、私のようにならないでくださいね。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。