愛も資金もある老後生活を夢みて 夫が投資マンションを買う理由

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目次

昨日まで、

またも夫の借金発覚。やっぱりここに戻ってしまう、私のお金の問題の始まり

でも書きましたが、我が家にはこーんなに借金があって、そもそもどういう成り行きでそうなったか、という話の冒頭部分(まだ、全然書ききれていないんです)はお伝えしました。

今日は、つれあいが購入した、投資用マンション2軒のお話です。

彼はなぜ、投資用のマンションを2軒も買ったのでしょうか。

そして、その購入の何が、私にとって問題なのでしょうか。

あなたがもし、私と同じ経験をしたら、あなたはどうしますか?

 

投資用マンションを購入した目的

私たちが結婚したのは、バブルが弾けて学生たちが就職難にあえぐ時代が続いている頃でした。

年金問題もそのころから大々的に取り上げられるようになっており、老後はあちこち旅行に行くのもいいね、などと夢を語りながらも、自分たちの老後の生活は年金だけでは苦しくなるよね、という話も時折していたのでした。

そんな中、つれあいの職場の同僚を通じてだったと思うのですが、投資用マンションの説明を聞いたぞ!と、と熱っぽく私に語るのです。

聞けば、都心のアクセスのよい場所にワンルームマンションを新築し、それぞれの部屋のオーナーを募って出資してもらうのだとか。

入居者がいない間の家賃は保証されていて、自分が組むローンはほぼ入居者の家賃と同額。

ただし、毎月8,000円程度の持ち出しはある。

これで30年のローンを組んで、払い終わったら物件は自分のもの。

1軒につき9万円の家賃が収入になる。

老後の資金として毎月それだけ入ってくるのは魅力だ、というのです。

毎月入ってくるそのお金を何に使いたいのか、と聞くと「二人で日本中を旅行したい。車で寝泊まりして俺が運転する」などと言います。

どうもその気持ちは本気のようで、その気持ちはまあありがたいのですが、方法が間違っていると思いました。

つれあいに伝えた、その時の私の気持ち

だって、まだ自分たちの家も買っていなかったのです。

私は、ずっと官舎暮らしを続けるのはいやでした。

家を買う前にそんなローンを組んでしまったら、自宅を買うお金を借りることができなくなるのではないかと思いました。

だから、自分のその考えを話したうえで「私は絶対に反対だから、買わないで」と伝えたんです。

しかし、つれあいは私には秘密にしたまま、買ってしまいました。

2軒も、です。。

私にはずっとバレないようにするつもりだったのでしょう。

でも、経験された方はお分かりだと思いますが、ローンの関係やら保険やらで、様々な書類が送られてきます。

当時は主人宛の郵便物を開封していませんでしたが、さすがに差出人に融資関係や保険関係のものがいくつも並べば、気が付きます。

主人と、主人に物件を売った営業マンを前にして話を聞いたとき、私は本当に怒りと無力感でいっぱいでした。

どうしてこんなことになってしまったんだろう。

自分はなぜ、夫に欺かれなくてはいけないのか。

結婚して2年、毎日必死に周囲の奥様たちに溶け込み、いい妻であろうと努力しているのに。。

購入の目的が、二人で楽しい老後を過ごすためだということを思い出すと、彼の気持ちと私の気持ちが全く相容れないことが、悲しすぎました。

私は両親から、実家の住宅ローン返済がどれだけ苦しいものかたびたび聞かされていました。

借金を背負うことの重さは、私にとって将来の夢よりもずっとずっと大きく感じられることなのです。

しかし、いくら説明してもつれあいには理解してもらえませんでした。

彼は「お金を借りているだけだ、必要な時に借りなければ何もできない、返せばいいのだ」といいます。

確かに、マイホームが全額自己資金を準備して買えるなどとは私も思っていませんでした。

でもわたしは、借りていることそのものが嫌なのです。現金でなくカードで支払うことさえ、今も抵抗があります。

ですから、こんなに簡単に負債を背負うことを決めた夫と、うまくそれをやってのけ、別会社の社長にまでなった営業マンの能天気な顔は、見ているのも嫌で、ただひたすらうつむいて、黙って話を聞いていました。

そしてただ一言「二人で私をだますなんて、本当に酷すぎる」としか、言葉をしぼりだすことができませんでした。

だってもう何を言っても、借金は消えないのです。

すぐ物件を売ってほしいと何度も言いましたが、二人とも取り合ってくれませんでした。

当たり前のことですが、二人には、将来の儲けしか見えていません。

私に対する謝罪の言葉は、一応聞いたとは思いますが、全く腑に落ちませんでした。

本当に自分たちの行為を悔いているわけではないのですから、いくら謝られても、それは私が求めている謝罪とはちがうからです。

かぼちゃの馬車に乗っているのと同じこと

つい最近、かぼちゃの馬車という、女性専用シェアハウスを一棟まるごと投資物件として売り、オーナーに家賃を保証していた会社の事実上の破綻が話題になりました。

私の理解が間違っていたら申し訳ないのですが、つれあいの場合は、それがワンルームマンションの二部屋なだけで、基本となるビジネスモデルは同じだと思います。

20年ほど前はまだ目新しさのある手法だったようですが、本当にそういうことができる資金のある人は限られていますし、今興味のある人はすでにやっているでしょう。

だから、比較的お給料が高い人たちを狙って営業しても、資産や収入を偽装しないとお客を獲得できず、違法な行為に手を染めたのではないでしょうか。

↓こちらの記事を読むと、とっくに自転車操業状態だったようですから。。

スマートデイズ社(旧スマートライフ)のかぼちゃの馬車(シェアハウス)問題

この事件のニュースを見て、しみじみと思いました。

儲けたいという欲に付け込まれているからでしょうか、つれあいと同じように、大きな負債を抱えることに抵抗がない人が多すぎるなぁと思います。

彼が物件を買った会社は、2〜3年後にその事業から撤退しました。

別の会社になって新しい事業を開始し、それとは別に物件の管理会社を設立したのです。

頭のいい人たちは、さっさと次の儲け先を探し当てて移動していくんですよね。

つれあいのマンションだって、今家賃保証をしている会社が傾いたら、自分で返済しなくてはなりません。

かぼちゃの馬車の魔法は、魔法使いが去るとあっけなく解けてしまうものなのです。

それに、投資マンションからの収入で旅行に連れて行ってもらっても、全然楽しめるはずがありません。

どうしてこんな単純なことが、つれあいにはわかってもらえないのでしょうか。

旅行に行こうと誘われたら、自分が騙されていたとわかった時の、言葉にできない悲しみと怒りがよみがえってくるに違いないのですから。

 

我が家の投資物件は、どの程度儲かるのか。

一方的につれあいを責めることはないんじゃないか、ちゃんと将来収支はプラスになるのでは、と思われる方もいると思います。

私も、実はすでに儲かっているんじゃないかとも思いましたが、やっぱり違うようです。。

まず経費ですが、毎年の固定資産税と、毎月の持ち出しや時折請求される設備の改修費、それらをこれまで記憶にある納付書などの実績から計算すると、15年支払ってきたとして

投資用マンション1:2,500万円

固定資産税15万×15年+毎月8,000円の持ち出し×12×15年=225+144=369万円

投資用マンション2:2,000万円

固定資産税10万×15年+毎月8,000円の持ち出し×12×15年=150+144=294万円

合計663万円、さらに何度かエアコンの交換などありましたから、ざっと700万円はかかっています。

正確な固定資産税額がわからないので、仮に年5万円の誤差があるとすると5×15年=75万円の範囲になります。

マンションの耐用年数を60年と見積もると、その間に2軒で2,800万円の経費をかけることになりますね。

誤差は、プラスマイナス280万円の範囲にあります。

また、この投資用マンションを所有していたため、自宅を購入する際に借りた住宅ローンの利率が1%以上高くなってしまいました。

ですのでその分数百万円の損失があります。

また、マンションは30年も経てば大規模な修繕が必要になるため、途中で少なくとも数百万円の出費を覚悟する必要があります。

ではローン返済後の収入を考えてみましょう。

築30年のマンションに借り手がその後も見つかるかどうか疑問はありますが、ローン返済後毎年216万円の家賃収入(毎月17.3万円×12ヶ月)×30年ですので、ずっと入居者がいたとして、最終的には6,228万円の収入が見込めます。

築30年以上の物件で家賃が上がっていくことは考えにくいと思いますから、これ以上収入を見込むのは難しいでしょう。

今回計上した必要経費だけを考えても、収入が経費を上回るのは、ローン返済の10年後になります。

つまり、ローンを完済し、10年以上ずっと入居者がいる状態をキープできなければ、儲からないのです。

固定資産税の誤差280万円を考慮しても、入居者が9年以上いる状態を経て初めて黒字になります。

もしもっと固定資産税が安かったとしても、ローン返済後にしか儲けが出ないのは、間違いないと思います。

これは、割のいい投資なのでしょうか。

利益が出るころには、私たちは70歳近くなっています。

愛も資金もある老後を夢みて

つれあいが私に黙って投資マンションを買ったことで、わたしは離婚するかどうか、真剣に悩みました。

そして、思い切って当時通っていた洋裁教室で、おばちゃんたち数人に相談しました。

皆口々に「あんたもまあ、大変なことだわねー」と一応気の毒がってくれましたが、結論はシンプルでした。

「あんたがしたいようにすることだわね。一緒にいたけりゃいる、そうじゃなきゃ(結婚生活を)やめる。それしかないわね。」

自分は、それでもつれあいと一緒にいたいのか。

問うてみると。

答えは「Yes」でした。

私が結婚生活に1番に求めたものは、愛情です。

つれあいは、それを充分に与えてくれる人なのです。

あの時私は「この人を失ったら二度と、自分にこういう愛情を与えてくれる人に巡り合えないのではないか」と思っていました。

だから、まだ今も一緒にいます。

この先は。。その時の自分に問うてみて、正直に行動するでしょう。

愛もお金もある老後を夢みていたのは、本当は彼よりも、私の方かもしれません。

私が夢みて語ったことを、つれあいは彼なりに実現しようとしてくれたのだと思います。

私には、全く思いもよらない方法で。

結婚生活に待ち受けているのは、大きな喜びの裏側に潜む、想像もできなかった悲しみかもしれません。

あなただったら、どうしますか?

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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