
目次
今日のブログは、「人間は見たいものしか見ていない」ということをテーマに書こう、と思って準備を始めました。
ですが・・・
今回は、確証バイアス、アドラーの認知論やユリウス・カエサルの言葉は出てきませんので、悪しからず。
たまたま見つけた「ライフネット生命保険代表取締役会長 出口治明(でぐち・はるあき)氏(2018年1月に立命館アジア太平洋大学(APU)の学長就任)」の慶応ビジネス・スクールでの講演をまとめたブログがとても面白くて、何回も読み返してしまいました。
読んでると、昨日までより世の中を良くするには、自分の行動をちょっとだけ変えることが役に立つかも、と思えてきますよ。
わたしと一緒に、出口治明さんから学んでみませんか。
人が生きること、働くこととは、「世界経営計画」の一部を担うこと
今回私が読んだブログはこちらです→人間は「見たいものしか見ない」習性を持つ動物
最初に講演の冒頭部分を読んだときには、???が頭の中に並んで、すぐには意味が理解できませんでした。
もう一度読んでみて、ふむふむ、ほほーうと思ったのが、こちらです。
世界のメインシステムを担っているのは神さまです。神さまは、世界を思うがままに瞬時に変えることができるからです。しかし、残念ながら神ならぬ身の人間にはそういうことはできません。今の自分が置かれた環境、今のポジションでどこをどう変えれば周囲の世界が多少なりとも良くなるのか、自分はその中でどの部分を担うのがいいのかということを常に考えていく必要があります。即ち人が生きること、働くこととは、世界経営計画のサブシステムを担うということなのです。
まず、「今の自分が置かれた環境、今のポジションでどこをどう変えれば周囲の世界が多少なりとも良くなるのか、自分はその中でどの部分を担うのがいいのかということを常に考えていく必要があります。」この文章で、自分の気持ちをわしづかみにされてしまいました♡
世界中の人が、何かしら世の中を良くしようとがんばっている。
ビジネスって、当たり前かもしれませんが、そういうものですよね。
だから、自分に収入が入ってくることだけを考えてポジションをとるのではなく、「私はこういう世の中にしたいと思ってます」という自分の考え方をビジネスとして世の中に出す、という考え方が大切なんだな、と改めて納得することができたんです。
それに、何といっても「人が生きること、働くこととは、世界経営計画のサブシステムを担うということ」っていう考え方、ちょっと新しくないですか?
そんな風に大きな枠組みで生きることや働くことを考えたことって、私はありませんでした。
しかも、働くことだけでなく、人が生きることそのものが世界経営計画の一部に含まれる、つまり、生きてさえいれば世界経営のサブシステムに参加できるというお話をされているんです。
私はこれまで、正社員じゃなくてパートだから自分には大した仕事ができなくても仕方ないとか、一主婦が学校のPTA活動を変えることは難しいとか、そんなことを折に触れて考えてきましたが、生きてさえいれば世界経営のサブシステムに参加できると言われてしまうと、考えてきたことの方向性が間違っていたかな、と思い直しました。
世界をよりよくするために、地球上にいるすべての人が(意識していてもいなくても)世界経営計画に参加している。
それなら。自分はどう行動したいのか?
世界をよりよくするために何ができるかを考え、実行する、ということかなと思うんです。
行動することでしか、変化をもたらすことはできないからです。
「正社員じゃなくてパートだから自分には大した仕事ができなくても仕方ない」とか、「一主婦が学校のPTA活動を変えることは難しい」という考えは、「できないこと探し」になってしまい、行動につながりません。
そうではなくて「できること探し」をして、まず行動すること、これが世界経営に参加することではないかと思うんです。
別に無理して世界経営に参加なんて、やらなくてもいいじゃ~ん、という考え方もあると思います。
ですが、自分の周りにいる人すべてが経営を担っていると言われると、全員が社長に見えてきませんか?
皆は社長として、自分の人生の経営、ひいては世界の経営に携わり活躍しているのに、自分自身はそれをただ眺めているだけ。。
自分が社長でなければ、例えば夫や親といった社長たちから命令されるまま生きていかなくてはなりません。
それで、自分の人生に満足できるでしょうか。
私は、ずっと人から命令されてその通り生きていくのはいやです。
これまで自分でよく考えないで生きてきて、生き方に満足できていないから今の自分が好きになれないんだと思います。
だから、世界経営のサブシステムに参加するには、どこで何をするのがいいのか、このブログも含め色々考えて行動してきたのかなぁと思っているところです。
自分のアタマで考えるとき、使える方法
それでは「できること探し」や「自分のポジションを探す」ことはどうすればできるのでしょうか。
出口さんのお話は、こんな風に続きます。
世界経営計画のサブシステムを担う人間が、周囲の世界を少しでも良くしようと思うならば、まず現状をきちんと認識することから始めることが必要です。森の姿(世界の姿)を正しくとらえることができなければ、1本の木すら植えることはできないからです。
ところが、人間は「見たいものしか見ない」、あるいは「見たいように都合よく現実の世界を変換してしまう」習性を持つ動物です。(中略)このような脳のクセを考えると、世界の現状をきちんと見るためには、方法論が必要です。まずは、その方法論から説明していきましょう。
この後2つの方法が紹介されているので、それについて自分でも考えてみたいと思います。
タテ・ヨコ思考で考える
1つ目の方法はタテ・ヨコ思考です。
人間の脳はドメスティケーション(農耕、牧畜などの開始)以来、1万3000年以上進化していないというのが通説です。つまり1万年前の人間も今の人間と同じように喜怒哀楽を感じ、同じように経営判断をしてきたということです。ならば、「昔の人はどう考えたか」が現状を見る時の1つの軸になります。これがタテです。ヨコは「世界の人がどう考えるか」です。タテ・ヨコの軸で見れば現実が非常に正確に見えてきます。
この後、講演では「夫婦別姓」が話題として取り上げられ、それが日本の伝統的価値観ではない、ということがタテ・ヨコ思考によって提示されます。
私はこれまで、歴史を学ぶ意義(タテ思考)について、しみじみと納得したことはありませんでした。
でも、「人間の脳は1万3000年以上進化していないというのが通説です」と言われると、そうか、科学的にそう言えるなら、確かに昔の人の言葉に学ぶ意義ってあるかも。。と思ってしまいます(単純ですが)。
ちなみに、少しgoogleさんに人間の脳の進化についてお尋ねして、面白い動画を見つけました。
↓こちらです。
これを見ていただいてもわかりますが、人間が今のように社会を構成して暮らし始めてからは、その思考の根本は変化していないのですね。
だからこそ、先人たちの知恵を参考にする価値がある、それを知るために学ぶことにも意義がある、ということになるのだと思います。
数字・ファクト・ロジック
「世界」や「現状」をきちんと認識するための、2つ目の方法は、「数字・ファクト・ロジック」を使うことです。データの伴わない議論ほど時間の無駄はありません。
例えば、僕はしばしば「日本は低学歴社会だ」と主張しています。そうすると「出口さん、何を言っているんですか。日本は少子化で学生数が減っているのに大学の定員は減っていなくて、希望すればどこかの大学には必ず入れる『大学全入時代』ですよ。」と反論する人がいます。
この議論は1分もかからず正答が出ます。各国の大学進学率をググってみてください。日本は51~52%ですが、OECD平均は62~63%。先進国の中では日本が低学歴の国であることは歴然としています。
数字やデータと言われると、ううっ、と戸惑ってしまう人、多いのではないでしょうか。
でも、出口さんの考え方は明快です。
自分の意見に数字の裏付けを持たせて語りなさい、ということですね。
とてもシンプルです。
逆に、最初に数字をみて、自分の意見を証明するとか、補強することにも応用できると思いました。
こちらの本をご存知ですか?
まとめ
とにかく、最初にもリンクを貼りましたが、出口さんの講演記録をぜひぜひ読んでみてください。
出口さんの講演ブログはこちらです→人間は「見たいものしか見ない」習性を持つ動物
今回ご紹介したのは、まだほんの冒頭部分だけなのです。
それでもこれだけ色々想像力を掻き立てられ、私の心がなんだかざわざわして、何かもっと自分にもできることがあるんじゃないか、という気持ちになってきました。
自分が世の中のどういう場所で、何をして、どのように世の中と関わって生きていくのか。
その時に、「世の中を良くするために」自分には何ができるのか。
身近なことからでいいと思うんです。
通勤の道に落ちているごみを拾って、ごみ箱に捨てるのでも、いいと思います。
他にも何ができるのか、ちょっと、考えてみませんか。
世の中を良くするために昨日までとはちょっとだけ違う行動の自分になる。
それって、自分だけでなく、世界中の人にとって、とても素敵なことだと思うんです。
素敵だな、という気持ちを沢山の人と分かち合うことができたら、そういう自分のことを、もっと好きになれるんじゃないかと思います。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。